はじめに
2022年以来のドル指数の下落が、世界のリスク資産市場に大きな影響を及ぼしています。米ドルの信頼性が揺らぐ中、仮想通貨ビットコイン(BTC)や金、米株式市場は異なる反応を示しています。
CryptoQuantの最新レポートでは、S&P500が史上最高値を更新する一方で、ビットコインや金はレンジ相場から抜け出せず、投資家心理の微妙な変化が浮き彫りになっています。ドル安が進行する中で、仮想通貨と伝統資産はどのような動きを見せるのか。
今後の市場見通しについて見ていきましょう。
概要
仮想通貨分析企業CryptoQuantは、米ドル指数(DXY)が2022年以来の安値を記録したことを受け、ドルとリスク資産の関係性を分析しました。
ドル安によって株式市場には資金流入が進み、S&P500は過去最高値を更新しましたが、ビットコインと金はそれぞれレンジ相場にとどまり続けています。特にビットコインはETF流入や企業買い増しが進んでいるにも関わらず、9万8000〜11万1800ドルの狭い範囲で推移。金もドル安の恩恵を受けきれていない状況です。
また、長期保有者(LTH)の含み益もピーク時と比較して減少傾向にあり、市場が過去の天井圏に達するには14万ドル水準が必要との分析も示されました。
まとめ
ドル安が進行する中、株式市場は堅調に推移する一方、ビットコインや金といった資産はレンジ内で停滞を続けています。特にビットコインは現物ETFや企業の買い支えにもかかわらず、上昇の勢いを欠いており、長期保有者の含み益も過去の水準と比較して控えめです。
CryptoQuantの分析によれば、過去のピーク時のような過熱感を取り戻すためには、ビットコイン価格が14万ドルに達する必要があるとされ、今後の価格動向にはドルの動きだけでなく投資家心理の変化にも注目が集まりそうです。