はじめに
2024年に誕生したトランプ政権は、仮想通貨（暗号資産）とブロックチェーンに関する国家レベルの制度整備に着手し、米国をWeb3の中心地に据える戦略を推進中です。注目されるのは、CLARITY法案とGENIUS法案という2大法整備。これらの進展を受け、ステーブルコイン・カストディ・ETFなどを巡る企業の参入が急加速しています。日本を含めた世界の制度にも影響を与える可能性が高く、今後の動向が注目されます。
概要
米国では、トランプ政権の下で仮想通貨規制の明確化が進み、Web3分野に対する国家戦略が本格化しています。CLARITY法案は仮想通貨の証券・商品分類の明確化を、GENIUS法案はステーブルコインに関する包括的なルールと米国外への規制適用を定めたものです。
これにより、大手金融機関やテック企業がステーブルコイン発行・カストディ業務・ETF展開に動き出しており、米国がWeb3産業の中核として再び国際的なリードを取ろうとしています。
特徴
CLARITY法案では、仮想通貨の多くを証券扱いから除外し、SECとCFTCの権限を明確にすることで、企業の事業参入リスクを低減。GENIUS法案では、発行体に対する認可制や、米国外への域外適用を定め、規制の網を世界に広げました。
これにより、JPモルガン・アマゾン・アップル・メタなどがステーブルコインを活用した新サービスを検討。さらに、バンク・オブ・アメリカやゴールドマン・サックスなど伝統金融機関もカストディや預金トークン化に進出しています。
米国がドル基軸体制を維持しつつ、仮想通貨と金融の融合を推進する構図が明確になってきました。
まとめ
米国におけるWeb3制度整備は、CLARITY・GENIUS法案の進展により、金融・決済・投資の各分野で企業参入が活発化し、グローバルなルール形成の主導権を握る動きに転じています。日本でも、金商法への仮想通貨移行やETF解禁の議論が進み、制度改革が現実味を帯びています。
今後は、米国に続く形で他国も制度を整備していく可能性が高く、投資家・開発者・事業者は法改正の行方に注視が必要です。規制とイノベーションのバランスが試される今、グローバルWeb3市場の行方に目が離せません。