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デジタル通貨とは?日本の中央銀行とCBDC・仮想通貨・電子マネーの違いを徹底解説

2025.07.25

仮想通貨

デジタル通貨とは?初心者向けに仕組みを解説

この章では、デジタル通貨の意味や仕組みをわかりやすく解説します。現金との違いを整理しながら、「電子マネー」「仮想通貨」「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」といった関連用語の関係性も紹介します。まずは、デジタル通貨という言葉がどのようなものを指しているのか、基本から理解していきましょう。

デジタル通貨の定義とは?

デジタル通貨とは、紙幣や硬貨といった物理的な形を持たず、電子的にやり取りされる通貨の総称です。法定通貨としての裏付けがあるものから、民間が発行する電子決済手段、暗号資産まで幅広く含まれます。

デジタル通貨は、インターネット上のデータとして存在し、スマートフォンやICカードなどを使って決済・送金が可能です。取引のスピードや利便性の高さが特徴であり、現金と比べて管理コストが小さく、利用者にとっても効率的な手段として急速に普及しています。

現金との違いと特徴

デジタル通貨と現金の最大の違いは、「実体の有無」と「記録性」にあります。現金は匿名性が高く、直接の手渡しによる決済が主流です。一方で、デジタル通貨はオンライン環境で利用でき、利用履歴がシステム上に残るため、取引の追跡性が高くなります。

また、現金は時間や場所に制限されるのに対し、デジタル通貨は24時間365日、世界中で即時送金が可能です。ただし、インターネット環境や対応インフラが整っていない場合には使用が制限されるため、利便性とリスクをセットで捉える必要があります。

電子マネー・仮想通貨・CBDCとの違い

「デジタル通貨」は非常に広い意味を持つ言葉であり、しばしば「電子マネー」「仮想通貨(暗号資産)」「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」と混同されがちです。これらはすべて電子的な通貨という点で共通していますが、発行主体や使い方、価格の安定性に明確な違いがあります。

  • 電子マネー

SuicaやPayPayなどのように企業が発行するもので、円建てで価格が安定し、主に国内での決済手段として利用されます。

  • 仮想通貨

ビットコインやイーサリアムなど、ブロックチェーン上で運用される通貨で、価格変動が大きく、投資や国際送金に使われることが多いです。

  • CBDC(Central Bank Digital Currency)

中央銀行が発行するデジタル通貨であり、法定通貨と同等の価値を持ちながら、デジタル上で安全かつ効率的に流通させることを目的としています。

基本的な分類を押さえておくことで、ニュースや制度変更に関する情報もスムーズに理解できるようになります。

デジタル通貨の3つの分類

デジタル通貨は大きく分けて3つのタイプに分類されます。それぞれ仕組みや発行主体、価格の安定性、利用目的が異なるため、正確に理解することが重要です。ここでは「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」「仮想通貨(暗号資産)」「電子マネー」の特徴と違いを詳しく解説します。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)

CBDCとは、各国の中央銀行が発行を検討している法定通貨のデジタル版です。紙幣や硬貨と同じ価値を持ちつつ、電子的に利用できるようにすることで、より安全で効率的な決済手段として注目されています。

デジタル通貨の中でも公共性が高く、政策的な意図を伴う点が特徴です。日本では「デジタル円」、中国では「デジタル人民元」などの名称で実証実験が進んでいます。

※CBDCの仕組みや導入目的については、後述の「CBDCとは?中央銀行デジタル通貨の仕組みと目的を解説」で詳しく紹介します。

仮想通貨・暗号資産

仮想通貨(暗号資産)は、中央管理者を持たずに、ブロックチェーン技術によって取引履歴が自動的に記録・保管される仕組みです。代表的な例として、ビットコインやイーサリアムがあり、価格変動が大きく、投資・投機対象としても注目されています。

仮想通貨は国の通貨ではないため、価格が安定していない点や、取引所のハッキングリスク、規制の未整備といった課題もあります。一方で、自由度の高い国際送金や、中央集権に依存しない経済圏の可能性を秘めています。

電子マネー・キャッシュレス決済

電子マネーは、あらかじめチャージして使うプリペイド型(SuicaやWAON)や、クレジットカード連携のポストペイ型(PayPayや楽天ペイ)などがあります。円建てで運用され、決済スピードや利便性が高いことから、日常生活で広く利用されています。

電子マネーは金融機関や企業が発行するため、一定の信用がありますが、利用者同士の直接送金や国際取引には向いていません。あくまで国内向けの決済手段であり、仮想通貨やCBDCとは役割が異なります。

CBDCとは?中央銀行デジタル通貨の仕組みと目的を解説

中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、各国の中央銀行が発行を検討・開発している新しい形の法定通貨です。現金と同等の価値を持ちながら、完全にデジタルな形で発行・流通されることが想定されています。この章では、CBDCの基本構造と技術的な仕組み、導入の背景と目的、既存の金融システムとの関係について詳しく解説します。

CBDCの基本構造と技術的仕組み

CBDCは、大きく分けて「アカウント型」と「トークン型」の2つの技術的アプローチに分類されます。

  • アカウント型CBDC:

中央銀行または仲介機関(商業銀行など)に利用者ごとのアカウントを設け、取引記録をアカウントベースで管理します。既存の銀行システムと親和性が高く、履歴管理がしやすいという特徴があります。

  • トークン型CBDC:

物理的な現金のように「誰が保有しているかではなく、トークン(通貨そのもの)の移転履歴を追跡」する方式です。匿名性を確保しやすい反面、不正利用のリスクやデータ管理の複雑さが課題となります。

また、CBDCのプラットフォームは、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用するケースと、中央集権的なシステムを採用するケースの両方が存在します。日本銀行を含む多くの国は、「高い処理能力と信頼性」が求められるため、分散型と中央集権型のハイブリッド設計を模索しています。

なぜ中央銀行はCBDCを発行しようとしているのか

CBDCの導入目的は国によって異なりますが、共通して以下のような背景があります。

  • 現金使用の減少への対応:

キャッシュレス化が進む中、現金に依存しない「公共的な決済手段」としてCBDCを整備しようとする動きがあります。

  • 金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン):

銀行口座を持たない人々にも安全で安価な決済手段を提供し、経済活動の機会を広げる目的があります。

  • 民間決済手段の集中リスク対策:

ビッグテック企業による決済市場の寡占に対抗し、国家としての通貨主権を維持する手段としてCBDCが注目されています。

  • 国際送金の効率化:

クロスボーダー送金にかかるコストや時間を削減するために、CBDC同士の連携(例:Project mBridge(プロジェクトmブリッジ))が進められています。

このように、CBDCは単なる新しい通貨ではなく、金融インフラの再構築を担う戦略的プロジェクトとして位置づけられています。

CBDCと既存の金融システムの関係

CBDCの導入は、既存の金融機関や決済事業者にとって大きな影響を与える可能性があります。

例えば、中央銀行が個人と直接やり取りを行う「直接型CBDC」が実現すると、銀行の預金残高が減少し、金融仲介機能が弱まるリスクがあります。そのため、多くの国では、「二層構造モデル(中央銀行→銀行→個人)」を前提に設計が進められています。

また、民間のキャッシュレス決済事業者との競合ではなく共存を目指す設計が重要です。CBDCをあくまで「公共的な補完手段」とし、既存サービスとの相互運用性やユーザー体験の向上を重視する動きが主流です。

さらに、CBDCの導入にあたっては、サイバーセキュリティ・プライバシー保護・法的整備といった周辺制度の整備も不可欠です。単なる技術導入ではなく、制度全体の見直しを含む長期的な国家プロジェクトとなっています。

デジタル通貨のメリットと課題

デジタル通貨は、その種類によってメリットと課題が異なります。この章では、「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」「仮想通貨(暗号資産)」「電子マネー・キャッシュレス決済」の3つに分けて、それぞれの利点と注意点を整理します。どのタイプにも共通する利便性がある一方で、発行主体や技術基盤の違いによって、直面する課題は大きく異なります。

CBDCのメリットと課題

メリット:

CBDCは中央銀行が直接発行するため、価格の安定性と信用力が極めて高いことが特徴です。既存の法定通貨と1対1で対応し、現金と同等の価値を持ちながら、スマートフォンやICカードで即時決済が可能になります。また、災害時やパンデミックなど、現金流通に支障がある状況下でも柔軟に運用できるという利点があります。

さらに、取引の透明性が高まり、マネーロンダリングや不正送金の抑止にもつながると期待されています。金融包摂(すべての人に金融サービスを届ける)の実現にも貢献する仕組みです。

課題:

一方で、CBDCにはプライバシーの懸念があります。取引データが中央で管理されることで、個人の消費行動が監視される可能性があり、設計段階での匿名性・準匿名性のバランスが課題となります。

また、既存の銀行システムや民間キャッシュレスサービスとの競合・共存の設計も難しいポイントです。中央銀行による直接管理は技術的にも制度的にも複雑であり、実装までに相当の検証と合意形成が必要とされます。

仮想通貨のメリットと課題

メリット:

仮想通貨は中央管理者を持たず、ブロックチェーン技術を基盤とした分散型ネットワークで運用されます。この非中央集権性により、国家や銀行に依存せずに資産を保有・送金できる点が特徴です。国際送金では、為替手数料や送金時間を大幅に削減できる可能性があります。

また、価格変動が大きいため、投資・投機対象としての魅力もあります。特に若年層を中心に、新たな資産形成の手段として注目されており、NFTやDeFiといった関連領域の成長とも連動しています。

課題:

仮想通貨の最大の課題は、価格の不安定さです。数日で数十%変動することも珍しくなく、決済手段としての信頼性には限界があります。また、取引所のハッキングや詐欺被害の報告も多く、セキュリティ対策が利用者に強く求められます。

さらに、規制が国や地域によって異なるため、利用可能な範囲が限定されたり、法的な不確実性が付きまとったりする点にも注意が必要です。税務処理の煩雑さも個人投資家にとっては大きな負担となります。

電子マネーのメリットと課題

メリット:

電子マネーは企業が発行し、円などの法定通貨と1対1で連動しているため、価格が安定しており、日常的な決済手段として非常に使いやすい形式です。コンビニや駅、オンラインストアなど、多くの場所で即時決済が可能であり、利便性の高さが最大の強みです。

また、残高確認や利用履歴の可視化が容易で、家計管理にも役立ちます。スマートフォンひとつで決済が完結する手軽さは、現金を持ち歩く必要がない点で特に重宝されています。

課題:

発行元によって利用範囲が限定されることがあります。たとえばSuicaは交通系、WAONは流通系といった具合に、プラットフォーム間の相互利用性が十分ではありません。

さらに、企業の経営状態やサービス変更によって、チャージ残高の利用制限や失効リスクが発生する可能性もあります。金融機関とは異なり、電子マネーには預金保険制度が適用されない点も、利用者にとってはリスクのひとつです。

世界と日本の取り組み|CBDCの最前線

中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、世界中の中央銀行が注目している分野です。各国では実証実験や一部の実用化が進んでおり、日本もまた段階的に検証を進めています。この章では、海外と日本のCBDCに関する最新の取り組みと、その背景や目的を紹介します。

海外:バハマ・中国・EUなどの実証事例

CBDCを実際に導入している国として最も早かったのがバハマです。2020年に「サンド・ダラー」を発行し、国民がスマートフォンを通じて公式のデジタル通貨を利用できる環境を整えました。島国特有の銀行インフラ不足を補う手段として高く評価されています。

中国では、デジタル人民元(e-CNY)の大規模な実証実験が進行中です。都市部の商業施設やイベントなどで実際に利用され、国家主導での実用化が現実味を帯びています。中国政府は通貨のデジタル化によって決済インフラの国産化や、民間主導の決済サービスへの依存度の低下を狙っています。

欧州連合(EU)でも「デジタル・ユーロ」の構想が進行しています。欧州中央銀行(ECB)は2023年から本格的な調査・設計フェーズに入り、将来的な導入に向けて準備を進めています。加盟各国の法制度との調整を含め、地域全体での統一的な導入が検討されている点が特徴です。

このほか、ナイジェリアやジャマイカ、スウェーデンなどもCBDC導入や試験運用に踏み出しており、国ごとの事情に合わせた多様なアプローチが取られています。

日本銀行の実証実験と今後の予定

日本銀行は、2021年度からCBDCに関する実証実験を進めています。第1段階では、基本的な機能(発行・流通・償却)をテストし、第2段階では、民間決済事業者との連携や高負荷時の処理能力といった実用面の検証が行われました。

現在は「パイロット実験」に移行しており、実際の決済環境を想定した試験や、システム設計に関する課題の洗い出しが進められています。現時点では「CBDCの導入は未定」とされていますが、政府や関係省庁との連携のもと、制度整備も含めた検討が進行中です。

日本における導入の目的は、災害時やインフラ障害への備え、キャッシュレス化の推進、将来的な法定通貨のデジタル対応などが想定されています。また、民間のキャッシュレス決済との共存・競争をどう設計するかも大きな論点の一つです。

導入時期や方式については慎重な姿勢が取られていますが、日銀の継続的な検証と国際連携の動向は、今後の重要な指標となるでしょう。

デジタル通貨の今後と私たちの生活

デジタル通貨は、国家の金融政策だけでなく、私たちの日常生活にもさまざまな形で影響を与える存在です。給与の受け取り方や日常の買い物、家計の管理方法まで、変化が始まりつつあります。この章では、デジタル通貨が私たちの生活にどのように関わるのか、実例を交えて解説します。

デジタル給料・決済の変化

2023年、日本では給与の「デジタル払い」が法的に解禁されました。これにより、企業は従業員の同意を得た上で、銀行口座を介さずにスマホアプリやウォレットに直接給与を支払うことが可能になりました。今後、CBDCが導入されれば、これらの支払い手段がさらに拡大する可能性があります。

また、日常の買い物でも変化が進んでいます。これまでは現金やクレジットカードが主流でしたが、QRコード決済やICカード、さらには仮想通貨による決済にも対応する店舗が徐々に増加しています。特に海外旅行時など、複数の通貨に対応したウォレットの需要も高まっています。

決済手段の多様化は利便性を高める一方で、消費の実感が薄れやすくなる側面もあり、家計管理の在り方も見直されつつあります。

個人資産・投資・金融教育への影響

デジタル通貨の普及により、個人の資産管理や投資の選択肢も広がっています。仮想通貨やステーブルコインなどを活用した資産運用が一般にも浸透しつつあり、特に若年層を中心に投資への関心が高まっています。

これに伴い、金融リテラシーの重要性も増しています。たとえば、ウォレット管理や2段階認証、フィッシング詐欺への警戒など、従来の銀行口座以上に自己管理の知識が求められます。加えて、価格変動の激しい仮想通貨を扱う際には、基本的な投資判断力や情報収集力が必要とされます。

教育現場においても、小中学校の「金融教育」や「キャッシュレス教育」が広がりを見せており、将来的にはCBDCの使い方を含むカリキュラムが検討される可能性もあります。

まとめ|デジタル通貨の未来と賢い向き合い方

デジタル通貨は、単なる技術革新ではなく、私たちの暮らしや社会の仕組みに深く関わる存在へと進化しつつあります。仮想通貨、電子マネー、CBDCといった多様な形態があり、それぞれの役割とリスクを理解することが求められます。

利便性の高い決済手段として生活に浸透する一方で、プライバシーや制度面の課題にも目を向ける必要があります。特に、今後CBDCが本格的に導入されれば、金融のあり方そのものが大きく変わる可能性もあるでしょう。

まずは自分にとって必要な情報を見極め、正確な知識をもとにデジタル通貨と向き合うことが大切です。投資や決済での活用を考えている人も、将来に備えて基本的な仕組みを理解しておくことが有益です。

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