Blog

  1. TOP
  2. ブログ
  3. ステーブルコインとビットコインの違いとは?種類・仕組みを日本の最新動向から解説

ステーブルコインとビットコインの違いとは?種類・仕組みを日本の最新動向から解説

2025.08.20

仮想通貨

ステーブルコインとビットコインの基本

ステーブルコインとビットコインは、どちらも暗号資産に分類されますが、目的や性質が大きく異なります。ここでは、それぞれの定義と誕生背景を押さえることで、両者の立ち位置を明確にします。

ビットコインとは

ビットコイン(Bitcoin)は、2009年にサトシ・ナカモトを名乗る人物(またはグループ)が発表した世界初の暗号資産です。中央銀行や政府の管理を受けず、P2P(ピア・ツー・ピア)ネットワーク上で直接取引が可能な「非中央集権型通貨」として誕生しました。発行上限は2,100万BTCと定められており、供給量が限られているため、需要と供給のバランスによって価格が大きく変動します。この希少性と非中央集権性から、ビットコインは「デジタルゴールド」とも呼ばれ、投資や価値保存の手段として注目されています。

ステーブルコインとは

ステーブルコイン(Stablecoin)は、価格を安定させることを目的とした暗号資産です。多くの場合、米ドルやユーロ、日本円といった法定通貨、または金などの資産と価値を連動(ペッグ)させています。これにより、暗号資産特有の価格変動リスクを抑え、日常的な決済や送金に使いやすい特徴を持ちます。発行方法には、法定通貨担保型、暗号資産担保型、アルゴリズム型の3種類があり、それぞれ安定性や信頼性に差があります。ステーブルコインは国際送金、DeFi(分散型金融)、決済サービスなど幅広い場面で活用されており、近年は円建てや多通貨型の発行も進んでいます。

両者の位置づけ

ビットコインは価格変動が大きく、投資対象や長期保有資産としての利用が中心です。一方、ステーブルコインは価格を一定に保つことで日常決済や送金での実用性を高めています。どちらもブロックチェーン技術を基盤としていますが、目的・機能・利用シーンが異なるため、用途に応じた選択が重要です。

仕組みの違い

ステーブルコインとビットコインは、どちらもブロックチェーン技術を利用していますが、価値の安定方法や発行の仕組みが大きく異なります。この違いを理解することで、通貨の性質や利用適性が明確になります。

ビットコインの発行と運用

ビットコインは、マイニング(採掘)と呼ばれる作業によって新規発行されます。マイナーと呼ばれる参加者が計算処理を行い、取引データをブロックとしてまとめて承認します。その報酬として新しいビットコインが発行されます。発行上限は2,100万枚と決まっており、約4年ごとに半減期を迎えて新規発行量が減少するため、長期的には希少性が高まる設計です。この仕組みにより、中央管理者が存在せず、世界中のネットワーク参加者によって運営されます。

ステーブルコインの発行と価格維持

ステーブルコインは、価格を一定に保つために裏付け資産や供給調整の仕組みを備えています。代表的な方式は以下の通りです。

  • 法定通貨担保型:銀行口座などに米ドルや日本円を保管し、その価値と1対1で発行(例:USDT、USDC、JPYC)
  • 暗号資産担保型:イーサリアムなど他の暗号資産を担保に発行し、担保価値が下がると自動清算(例:DAI)
  • アルゴリズム型:需要と供給をスマートコントラクトで調整し、価格を維持(例:一部のUST系)

法定通貨担保型は安定性が高い一方、発行主体への信頼や監査体制が不可欠です。暗号資産担保型は分散性が高いですが、価格変動時の清算リスクがあります。アルゴリズム型は完全な分散性を目指しますが、過去には価格維持に失敗した事例もあります。

価格変動の有無と価値の裏付け

ビットコインは価値の裏付け資産がなく、需要と供給のみで価格が変動します。一方、ステーブルコインは裏付け資産や供給調整によって価格を一定に保ちます。この差が、両者の利用目的や適性を大きく分ける要因となります。

用途と特徴の比較

ステーブルコインとビットコインは、同じ暗号資産でも利用目的が大きく異なります。ここでは、投資・送金・決済・価値保存といった主要な用途ごとに適性を比較し、それぞれの特徴を整理します。

投資・資産運用での利用

  • ビットコイン:

価格変動が大きく、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙った長期投資や短期トレードに適しています。供給量が限られており、希少性から長期的価値上昇を期待する投資家も多く存在します。

  • ステーブルコイン:

価格が安定しているため、大きな値上がり益は期待できませんが、暗号資産間の資金移動や一時的な避難先(ボラティリティ回避)として活用されます。DeFiレンディングなどで利息収入を得る方法もあります。

国際送金・送受金

  • ビットコイン:

銀行を介さず送金できるメリットがありますが、価格変動リスクや送金手数料の変動が課題です。

  • ステーブルコイン:

価値が安定しているため、送金時に為替変動の影響を受けにくく、送金コストも比較的安定します。特にUSDTやUSDCは国際送金で広く利用されています。

日常決済

  • ビットコイン:

一部の店舗やオンラインサービスで利用可能ですが、価格変動があるため日常決済には不向きです。

  • ステーブルコイン:

価格安定性から日常的な支払いに適しており、決済サービスやウォレットアプリでも導入が進んでいます。

価値保存・リスク回避

  • ビットコイン:

インフレ対策や法定通貨の信用低下時の価値保存手段として注目されています。

  • ステーブルコイン:

価格変動がほぼないため、暗号資産取引中の一時的な待機資金としての利用に向いています。

用途別比較表

用途ビットコインの特徴ステーブルコインの特徴
投資・運用値上がり益狙い。高リスク高リターン。値動きなし。利息運用や資金避難先として活用。
国際送金送金可能だが価格変動と手数料変動あり。為替変動影響少なく低コスト送金が可能。
日常決済一部店舗で利用可。価格変動の影響大。価格安定で日常支払いに適する。
価値保存インフレヘッジとして利用可能。短期資金保管や暗号資産間の価値移動に有効。

メリット・デメリット比較

ステーブルコインとビットコインは、仕組みや用途だけでなく、利用者にもたらすメリットとデメリットが異なります。ここでは、それぞれの通貨を選ぶ際の判断材料となるポイントを整理します。

ビットコインのメリットとデメリット

メリット:

  • 中央管理者が存在せず、世界中で取引可能な非中央集権型通貨
  • 発行上限が決まっており、希少性による価値上昇が期待できる
  • インフレや法定通貨の信用低下に対するヘッジ手段となる
  • 高い流動性で取引量が豊富

デメリット:

  • 価格変動が大きく、短期間で価値が大幅に変動するリスク
  • 送金手数料や承認時間がネットワーク状況に左右される
  • 規制強化や法的環境の変化による影響を受けやすい
  • 盗難・紛失リスク(秘密鍵の管理が必須)

ステーブルコインのメリットとデメリット

メリット:

  • 法定通貨や資産と連動しており、価格が安定している
  • 国際送金や日常決済で為替変動リスクを回避できる
  • 暗号資産市場内での資金避難先として機能
  • DeFiなどでの利息運用や担保利用が可能

デメリット:

  • 発行主体や担保資産への信頼が必要
  • 担保資産の管理・監査体制が不十分な場合、信用リスクがある
  • アルゴリズム型は価格維持に失敗する可能性がある
  • 一部国や地域で利用制限や規制対象になることがある

メリット・デメリット比較表

項目ビットコインステーブルコイン
価格変動高い(値上がり益の可能性大)ほぼ一定(安定性重視)
投資適性長期保有・値上がり狙いに向く投資収益は限定的、主に利息運用
決済・送金適性価格変動と手数料変動が課題為替リスクが低く安定した送金が可能
信頼性技術とネットワークの分散性に依存発行主体や担保資産への信頼に依存
規制影響各国の法規制に影響を受けやすい規制やライセンス条件により利用が制限される可能性あり

国内外の最新動向

ステーブルコインとビットコインを取り巻く環境は、法制度や市場ニーズの変化に応じて日々進化しています。ここでは、日本国内の規制や新プロジェクト、海外市場での主要な動向を確認します。

日本国内の動向

日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、ステーブルコインの発行・流通に関するルールが整備されました。これにより、銀行や資金移動業者、信託会社などがライセンスを取得すれば、法定通貨と連動するステーブルコインを発行できます。

主な事例としては以下が挙げられます。

  • JPYC:

日本円建てのステーブルコインで、資金決済法に基づく「前払式支払手段」として発行。オンライン決済や地域通貨プロジェクトでも利用。

  • Progmat Coin:

三菱UFJ信託銀行主導の円建てステーブルコイン。ブロックチェーン上での証券決済や企業間取引を想定。

  • DCJPY構想:

日本デジタル通貨フォーラムによる商取引向けデジタル通貨の実証実験。

ビットコインに関しては、資金決済法上の「暗号資産」として扱われ、取引所は登録制。NFTやWeb3の拡大に伴い、保有者数は徐々に増加していますが、日常決済よりも投資・資産保有が中心です。

海外市場の動向

海外ではステーブルコイン市場が急成長しています。特に米ドル連動型のUSDT(Tether)やUSDC(Circle)は、暗号資産取引の基軸通貨として世界中で利用されています。米国では規制法案(STABLE Actなど)の議論が進み、発行主体への監査・準備金報告義務が強化されつつあります。

EUでは2024年に暗号資産市場規制法(MiCA)が成立し、ステーブルコインの発行・流通に明確なライセンス制度が導入されました。アジアではシンガポールや香港が国際金融都市として規制整備を進め、中国は独自のCBDC(デジタル人民元)を国家主導で展開しています。

ビットコインは、エルサルバドルが法定通貨化した例を皮切りに、一部の国では送金・決済手段として活用が拡大していますが、依然として投資資産としての利用が主流です。

投資目的の場合

値上がり益を狙う場合は、ビットコインが有力候補です。発行上限があり、長期的な希少性が価値上昇につながる可能性があります。短期売買による利益も狙えますが、価格変動が大きいためリスク管理が必須です。ステーブルコインは価格変動がほぼないため、投資そのものには向きませんが、取引所間での資金移動や一時的な資金待避先として利用できます。

送金・決済目的の場合

国際送金や日常決済では、ステーブルコインが優れています。価格が安定しており、為替変動による損失を避けられます。送金コストも低く、即時性に優れるため、海外取引や越境EC決済に適しています。ビットコインも送金は可能ですが、送金時の価格変動や手数料の変動リスクがあるため、日常的な決済では不向きです。

リスク回避・資産保全目的の場合

法定通貨の価値下落やインフレへの備えとしては、ビットコインが有効です。中央銀行の金融政策に左右されず、供給量が固定されているため、価値保存資産として注目されています。一方、暗号資産市場の価格変動リスクから一時的に逃れるための「避難先」としては、ステーブルコインが適しています。取引の合間や市場急落時に資産価値を守る役割を果たします。

ステーブルコインとビットコインのリスクと注意点

暗号資産を安全に利用するためには、価格の特徴や仕組みだけでなく、潜在的なリスクや注意点を理解しておくことが重要です。ここでは、ビットコインとステーブルコインそれぞれの特有リスクと、共通して気を付けるべきポイントを解説します。

ビットコインのリスク

  • 価格変動リスク:

市場の需給や外部要因によって短期間で大きく値動きする可能性があります。特に短期売買では損失リスクが高まります。

  • 規制リスク:

各国の法制度変更や規制強化により、取引や保有が制限される場合があります。

  • ハッキング・盗難リスク:

取引所やウォレットのセキュリティが破られた場合、資産を失う可能性があります。

  • 流動性リスク:

主要市場では流動性は高いですが、一部取引所やペアでは売買が成立しにくくなることもあります。

ステーブルコインのリスク

  • 発行主体リスク:

法定通貨担保型の場合、発行者の資産管理や監査体制が不十分だと価値が維持できない可能性があります。

  • 担保資産リスク:

担保として保有している資産の価値が下落した場合、価格の安定性が崩れる可能性があります。

  • 規制リスク:

各国でステーブルコインの発行や利用に関する規制が進んでおり、利用できる範囲が制限される場合があります。

  • アルゴリズム型の不安定性:

需要と供給の調整に失敗すると、ペッグが外れ急落する事例があります(UST崩壊など)。

共通の注意点

  • 秘密鍵の管理:

暗号資産は秘密鍵を失うと資産にアクセスできなくなるため、厳重な管理が必要です。

  • 信頼できる取引所の利用:

国内で登録された暗号資産交換業者を利用することで、一定の安全性と法的保護を得られます。

  • 税制面の把握:

日本では暗号資産取引による利益は原則として雑所得に分類され、総合課税の対象となります。取引履歴の管理や確定申告が必要です。

  • 詐欺やフィッシングへの警戒:

高利回りをうたう投資話や、不正サイトによるフィッシング詐欺に注意しましょう。

ステーブルコインとビットコインの今後の展望

暗号資産市場は、技術革新や規制整備によって大きく変化し続けています。ステーブルコインとビットコインも例外ではなく、今後の方向性を見極めることは、投資や利用の判断において重要です。

ステーブルコインの展望

  • CBDCとの共存:

各国で中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験や導入が進んでおり、民間発行のステーブルコインは、CBDCとの相互運用や補完的役割を担う可能性があります。

  • 多通貨化とクロスチェーン対応:

米ドル建てが主流だった市場に、円やユーロ、人民元建てなど多通貨型のステーブルコインが増加。異なるブロックチェーン間でのやり取り(クロスチェーン)にも対応が進んでいます。

  • 規制による信頼性向上:

各国で発行者への監査義務や準備金保有の要件が強化され、透明性と安定性が高まることで、法人・機関投資家の利用拡大が期待されます。

ビットコインの展望

  • デジタル資産としての定着:

金に匹敵する「価値保存資産」としての地位が強まり、長期保有層(HODLer)の増加が予想されます。

  • 金融商品の拡充:

ビットコインETFや先物などの金融商品が普及し、機関投資家の参入が加速する見込みです。

  • 決済分野での活用拡大:

ライトニングネットワークなどの技術進化により、少額・高速決済が可能になり、日常決済での利用機会が増える可能性があります。

市場全体の予測

今後数年間で、ステーブルコインは決済インフラや国際送金の中核としての地位を固め、ビットコインは価値保存型資産としての役割を強化していくと考えられます。CBDCや規制環境の変化によって市場構造は変わりますが、両者は相互補完的に存在し続ける可能性が高いでしょう。

投資家や利用者にとっては、これらの変化を先取りし、適切な通貨選びとポートフォリオ戦略を立てることが重要です。

まとめ|目的に合った通貨選びが重要

ステーブルコインとビットコインは、同じ暗号資産でありながら、価格安定性や用途、仕組みに違いがあります。利用目的やリスク許容度によってどちらの通貨がいいのか選択しましょう。

投資で値上がり益を狙うならビットコイン、国際送金や日常決済ではステーブルコイン、暗号資産市場の価格変動から一時的に逃れる場合もステーブルコインが適しています。一方で、インフレや法定通貨の信用低下への備えとしてはビットコインが有効です。

暗号資産を活用する際は、両者の特性を理解し、目的に応じて使い分けることが成功への鍵となります。市場や規制の動向を定期的に確認しながら、リスクとリターンのバランスを意識した通貨選びを行いましょう。

仮想通貨を担保にして現金借入!
最短即日で始める仮想通貨質屋サービス!